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6月の園だより「小さなおみやげ」🌱

 春も終わりに近づき、植物が一番元気になる季節がやってきました。私の家では春先に植えた藤の種がやっと芽吹き、初々しい小さな葉っぱを広げています。小さな命が健やかに育ってゆく様子を見うるのは、本当に幸せなことだと思います。


 実はこの種は、私が休日にある公園に遊びに行ったとき、駐車場に生えていた野生の藤から拾ったものです。パシッ!バラバラ……という音がするのでびっくりして顔を上げてみると、頭上から次々と藤の種が降ってきました。しばらく見ていても拾う人はなく、現にたくさんの種がタイヤに轢かれて割れています。


 どうせ駄目になってしまうのなら子どもたちに見せてあげたいと思い、妻と二人で拾ってみたところ、紙袋いっぱいの種を集めることが出来ました。(通行人の「あの人たちまだ拾ってる……」という視線は、子どもたちを喜ばせたい気持ちが勝って気になりませんでした。)園で子どもたちに見せると、思っていた以上に喜んでくれて、拾っていた時の腰痛が吹き飛んだことを覚えています。


 しかし不思議なことに、「私は3個ちょうだい」、「僕は5個ほしい」といってみんな藤の種をとても欲しがるのですが、たくさん欲しがるわけではないのです。「もっとあげようか?」と訊いても、3個でいいと言って3個だけポケットにそっとしまいます。しかし子どもたちの様子を見ているうちに、なぜたくさん欲しがらないのかという謎は解けました。子どもたちの欲しいといった種の数は、その子の家族の数なのでした。


 大切な人ひとりひとりに一つずつ、今日見つけた素敵なものをあげたい。なんて心優しく慎ましいプレゼントなのでしょうか。必要な分だけで満足し、さらにそれを分かち合うことが出来るのは、大人でもなかなか難しいことです。子どもたちが、この朗らかな気持ちを保ちつつ健やかに成長することが出来るように、いつも願っています。


📖聖句

「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」 マタイによる福音書 5章44節

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